彫刻家 武荒信顕の作品紹介： あなたと・・・（流れについて) WORK 1

長崎市彫刻のある街づくり事業の評議委員の方々の前でプレゼンテーションする事になりまして、その時に使った画像を幾つか掲載します。勿論　CGですこんなアングルで見る事は出来ませんし、この時点で未だ制作してはいませんから!

CG制作は、パーソナルリンクスPC版を使いました。パーソナルリンクスは有名でしたが・・・今では知る人も・・・殆ど居なくなってしまいました。とても使い易い3DCGシステムなのでした、但しマッピングは辛かった。過去形です、供給していた会社が無くなってしまいました。PCは、NECの9801RAでCPUは20MHzでした、そいつに数値演算プロセッサーをつけて、フレームバッファーをつけて、それから、メモリーは8MBです、近頃のマシンと比べればナメクジの様なスピードですけれど、随分活躍してくれました。レンダリングソフトは tracyと言うレイトレーシングソフトです。

現在は、Shadeを使っています。安価で高性能なアプリを誰でも使える世の中になってしまったのです。技術の進歩は凄いものだと実感します、フレームバッファーなんて使いませんものね！フレームバッファーって知ってますか？買ってきたPCに、そのままアプリを入れて3DCG出来るなんて、夢の様です。コンフィグファイルやバッチファイルを書き換えて・・・頭がくらくらしたのを思い出します。

で、上空から見るとこんな風になっています。赤い箱が有るのが現実のこの世界であって、その隣にある（灰色の部分）すり鉢の部分が、こちら側から見たあちら側の世界の裏の部分なのです。二つの世界の橋渡しをしているのが時の流れを象徴する水の流れなのです。

夜になると、だーれも気が付かないのだけれども、知らない内に皆あちら側の世界の住人になってしまっているのです。そうです、光っているすり鉢の裏側が昼間の世界なのです実は！

みんな気が付かないのだけど、入れ替わってしまっているのです。

二つの世界の接点である「時の渚」を創り出す事にしたのです。

現実を見つめる為には絶好の場所を創り出そうと考えたのです。

実際の設置場所でのシュミレーションです、ひろーい野っ原のど真ん中ならば修景に困ったりしませんが・・・・

人間の視覚は便利なもので実際には、視角の中のメインの対象物を多く認識してしまいますので周りは心配する程には問題ではありません。それから、外の仕事では何かを創れば必ず何かしらの批判は覚悟しなければなりません、とても辛い事ではありますがそれらは作家として率直に受け入れて栄養にしなければならない事であると考えています。何かを創って誉められれば勿論嬉しい事ですが、なにぶんここはパプリックスペースです、批判も必ず付いて来ます。


それはさておいて、これが、写真になりますと、その画像の全面そのものが視覚の対象物になってしまうので、すごーく建物が気になってしまいます。人間の脳の仕組みって面白いですし興味が尽きません。

この画像は、プレゼンテーションの前に現場で下見をしまして、それで周りの景色を撮影しまして、その画像に合成したものです。現場は「稲佐緑地」と言うところです、長崎市街から稲佐橋を渡って夜景で有名な稲佐山への上り口です。ロータリーになっていますので、目立つ事といったらもう横綱クラスの場所ですから、ものすごーく賞賛される事も、反対にひどく批判される事も覚悟します、何しろ好きでやっている仕事ですから！！

プレゼンテーションでは識者の方々が、ずらりと並んでおいででした。その中に、ここは長崎だーって雰囲気の方がいらっしゃいました。

何と、お一方は、シスターだったのです、凛とした雰囲気で空気を浄化しておいででした。
街の歴史と誇りを感じました！
プレゼンで緊張する事など殆どないのですが、メーターの針がレッドゾーンに入ってしまいました、かなりあがってしまった事を思い出します。悠久の歴史と精神が、私を見つめているのですから！緊張と同時にとても興奮しました。街を歩くと歴史の重みを肌で感じます、日本での「何かの発祥の地」って碑がそこいらじゅうにあるんですよホントに・・凄いのです。街は素敵だし、みんな親切でニコニコしているし、空は蒼いし・・いいですよねーっ・・興奮している自分に気づいて更に興奮する私でした。

私への仕事の依頼の段階で、長崎市のスタッフの方々が、私を男と見込んでくれている事を感じましてかなり盛り上がっていましたのですが、改めて気合が入りました、ウォーって感じ！私達芸術家の仕事っていわゆる気合の仕事ですから「任せるからたのむぞっ！」って言われると「ヨッシャー！！！」って具合で盛り上がるのです、なんかサービスしてしまうのですハイ！